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絵本からのメッセージ 画家・タク
いままで私はイラストレーターとして、絵本の仕事を数冊、絵を手がけてきました。わずかではありますが。
絵本、、、といっても、私が手がけた仕事は、どちらかというと高学年から大人向けです。
それらは全て、なぜか絵本という体裁の中に普遍的なメッセージが託されている本ばかりです。
ですが、いままで「この仕事をさせてください!」と売り込んで結果手がけた仕事は、ひとつもありません。
「しゅるしゅるぱん」(おおぎやなぎちか・作)「あなたの一日が世界を変える」「交響曲『第九』歓びよ未来へ!」「海の見える丘」(3冊ともくすのきしげのり・作)…すべて、説明のつかない「流れ」で作者とお会いし、絵を担当した絵本ばかりなのです。
今、コロナウィルスが世界中の国々と人々の心を混乱の渕に陥れています。「そんないまだからこそ、これを読んでほしい」と切に思う絵本があります。
それは「あなたの一日が世界を変える」です。(図書館で借りれると思います。営業ではありません。)
実は、さし絵を描いていたときと「今」では、物語の行間から受け取るメッセージがちょっと違うのです。今こそ広く読まれるべき時だ、と、再読しながら思ったのです。
心の声は、たとえ出さなくとも共鳴する方の元へ伝播する、とわたしは信じています。
(そうでなければ、仙台という地方在住の、名も無い売り込み下手なイラストレーターが、上述のような絵本の仕事を任されるなんてありえないのです。)
今、悲しいかな世界が負の連鎖に陥りつつあるように感じます。
そんな今だからこそ、私はこの「あなたの一日が世界を変える」を読んでほしいと思っています。
たった一人が心の有り様を良き方向にチェンジすることは、世界の負の気をプラスに変えていく….小さいけれども大きなチェンジを生むと思います。
私は決して善人ではありません。立派な事を言えるような生き方はできていません。日々右往左往している恐がり絵描きです。
それでも、今まで描いてきた絵本を振り返ると、「大切なメッセージをわかりやすくするために、描く仕事を『誰か』から渡された」という感覚がぬぐえません。
今日、言いたいことはこうです。
「絵本を読んだ人間一人一人が、明日の世界への勇気あるメッセンジャーなんだ」
絵や絵本は、あくまでその礎にすぎません。
PHP研究所から刊行された「あなたの一日が世界を変える」は、奇しくも世界で翻訳版が出版されています。図書館でも借りることができると思います。
明日の世界のために、どうか、お読みいただけると嬉しいです。またお持ちの方は、ぜひ再読をおすすめします。気がつかなかった新しいメッセージを受け取るかもしれません。
絵本を読んだ皆さんの心に良き波紋が生まれ、その波紋が世界中の他の人の同じ心と共鳴し、世界を変える良き波紋になるよう祈ります。
明日の世界がすこしでも良くなりますように。
ありがとうございました。
今日、水彩ギャラリーに一枚の水彩画をアップしました。
気分転換によかったらごらんください。
岩手山早春_透明水彩
故郷岩手を離れ、あと数年で40年。時が立つほどふるさとの山に向き合ったときの感慨が深くなってきています。
早春の岩手山が好きです。
【アルティオと石鹸】 店主 クミコのブログ
東北通信情報懇談会の情報誌「メルカート」の絵とエッセイを担当していますが、最新号100号が完成しました。エッセイでは飯豊の風景イラストに女流探検家イザベラバードのことをからめています。
以下が連載のエッセイです。ご笑覧ください。
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山形・飯豊 アルカディアの春
旅には人それぞれのスタイルがあっていい。三食ガイド付きパックツアーも、リュックひとつでのふらり旅も大切なのは、どれだけ旅から余韻を持ち帰れるか、だ。
若い頃は「ツアーは邪道!」なんて息巻いていたけれど、最近はどちらが良くてどちらが悪い、なんてナンセンスだと思うようになってきた。大切なのは旅スタイルに目的が合うかどうかだろう。私の場合は「かなりコアなテーマ」を決めて旅に出ることが多い。自ずと単独行となる。
明治期、イギリス人女流探検家イザベラバードの足跡を山形の置賜地方に辿ったことがある。彼女の「日本奥地紀行」には地名が丁寧に書かれているので、ルートをなぞるのは比較的容易にできる。
地名をチェックし、出発した。クルマ一台がやっとの山道に「クマ出没注意」の看板が立っていたりすると、「嗚呼、興味が同じ仲間が居るといいなあ……」なんて思うわけで、人間は実に勝手なものだ。
山道を抜け、開けた飯豊にはいると、風景のなんと清々しいことか。「ここは日本のアルカディアだ」と米沢平野(置賜盆地)を記した彼女の気持ちが痛いほど迫ってきた。今でも置賜に旅すると、その安堵感がリアルに蘇る。イザベラバードを辿った旅の余韻は、いまだに自分の中に息づいている。
(絵と文・古山拓)
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オリジナルの水彩イラストはこちらです↓
「お疲れさまでした」
そんな思いを届ける季節がやってきましたね。新型コロナウィルスの影響で皆さんお疲れだと思いますが、お世話になった方への「お疲れさま」は笑顔の「お疲れさま」です。
先日描いた一枚は「贈り物にするための一枚=渡す方の想い出となるシンガポールと船=を水彩画で描いてほしい」という内容でした。
複数モチーフの組み合わせをご希望されていましたので、複数枚の写真データをメールでお送りいただき、まずは構図の構成からスタート。カラーラフを描いてメールで送りました。この場合のカラーラフはパソコンのペイントアプリで仮に著彩した画像データです。
いくつかの要望を反映させて、再度下絵をチェックしてもらいました。ゴーサインをいただいてから水彩本制作・納品となりました。額は深いウルトラマリンブルー系の額で合わせました。
実は最後の仕上げは額の裏側に文字を書き込むこと。いわゆる「裏書き」です。絵の「裏書き」とは、額の裏に、「贈る方のお名前」、「贈り主のお名前」、「日付」、「作者である画家の署名」を手書きで書き込むのです。
その額裏に手書きした「贈り主様」は、今回14名の方々でした。
もちろんその方々に直接お会いしたことはありません。ですが、メールでお送りいただいた14名のお名前には、笑顔がオーバーラップしていました。絵が手渡されるシーンを想像しながら丁寧に書きました。
オーダーくださった方は兵庫県の方でした。遠く兵庫から仙台の私に「お疲れさまでした」の思いを託す水彩画をおまかせいただいたことに、心から感謝しています。
そして、こんなふさぎがちな世相の昨今であっても、「ありがとう」「お疲れさま」を届けたい。そんな思いに絵で寄り添えたことが、有り難く、そして嬉しいです。ありがとうございました。
絵のオーダーページはこちらです。よかったらどうぞご覧ください。
連峰の輝き_蔵王
水彩イラスト:新川田植踊パンフレット (さらに…)
今日、東日本大震災から9年目の3.11。
3.11メモリアル企画「森羅万象のつらなり」も時同じく今日が最終日でした。
実は、ここのところ、私は三陸テーマの表現へのひとつの問いに答えを出せず、悶々としていました。(まあ。画家の問いなんてたかが知れていますので詳しくは触れません。)
答えをくれたのは、今回、一人また一人といらした来場者の方々でした。
答えのかけらを携えたメッセンジャーが、次々とメッセージを渡してくれる、、、。もう、怖いくらい。
深い海の底から、答えはやってくるんだ、多分、きっと。
皆様ありがとうございました。
今日は新しい地図を手渡されたような気分。
不謹慎かもしれないけれど、心が晴れやかな9年目の3.11です。
アートスペース無可有の郷15周年記念展に3点出品します。油彩から水彩、彫刻、アルミ造形まで多彩な展示です。
喫茶コーナーと素敵な庭もございますのでオフタイムに足を伸ばしてみて下さい。
出品作家:伊勢崎勝人・山家利治・竹内功・古山拓・富山恵美子・山中環・齋藤玄昌實・カルロス・デア
会場:アートスペース無可有の郷
会期:2020年3月19日(木)〜3月30日(月)
10:30~17:00
住所:宮城県柴田町海老穴海老沢131
電話:0224-56-3584
様々な水彩画のオーダーをいただきます。
直近で描かせていただいたのは、バレエのトゥシューズや赴任地の異国風景、高山植物の花。絵のご注文をいただくたびに「皆さんそれぞれに物語があるんだ」と感じます。(すべてプレゼントのための絵でした。)
半年ほど前、いつも個展に来て下さっている方から「亡くなった妻と登った大雪山の思い出を絵にしてほしい」とのオーダーをいただきました。数ヶ月かけて描き、出来上がった水彩画を先日お客様の元へお届けしました。
オーダーくださったMさんから、「古山さんと奥様をぜひ食事にお招きしたい」と、フレンチレストランにご招待いただき、昨晩おいしく楽しい一夜をすごしてきました。
テーブルではMさんは、「妻からは,良きことをもらいっぱなしでした。でも、早い別れになって、何も返せなかった。だから受け取った恩を、他の人たちに返して行くことにしました。」
実は無くなった奥様は、私の絵の生徒さんでもありました。
絵の制作の筆を置く時=仕上がりの時=はいつも悩みます。「これで完成かな、、、」と思った時、「先生、それでいいよ〜」と奥様の声がどこからか聞こえました。命日の数日前のことでした。
昨晩は4人がけのテーブルにMさんと私と私の妻の3人。
でも間違いなくMさんの亡き奥様も同席していたと思います。
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話題は変わって、絵の展示で関わっているイベント情報です。
311メモリアル企画『森羅万象のつらなり【海から銀河まで】』が仙台・藤崎本館8階グリーンルームで開催中です。
わたしどもは震災前の三陸風景画展示と絵本「海の見える丘」、画文集「子規と歩いた宮城」原画展で協力しています。
ご近所までお出かけの際は、どうぞお立ち寄りください。
ラストの写真はもう一人のゲスト、牡蠣の養殖家・畠山重篤さんと、イベント主催代表のフリーアナウンサー・渡辺祥子さんです。