• facebook
  • instagram
  • twitter
  • note
  • tumblr

x4160677 - Part 58

  • TOP
  • x4160677 - Part 58

古山拓個展〜旅の水彩物語

会場/仙台・藤崎百貨店・本館六階美術ギャラリー
会期/2019/9/26(木)〜10/2(水)

藤崎住所:仙台市青葉区一番町3丁目2-17

ヨーロッパ、東北の風景水彩画、そしてあらたな表現の作品を含む50点前後を展示します。

透明水彩で描き出された作品達から、みなさんそれぞれのストーリーを紡ぎ出していただければ嬉しいです。ぜひ、ご来場ください。

また、申し訳ございません。9/26〜10/2の藤崎個展会期中は、店主も作家も藤崎会場に入るため店舗臨時休業となります。ご了承くださいませ。
絵のオーダーやお問い合わせは、メールまたは、携帯までご連絡ください。

イングランドの平原を描いた透明水彩画

DM案内状作品-「平原に立つ・イングランド風景」

「終わりと始まりのはざま」

情報誌メルカート・背表紙
絵と文のしごと__イラストレーターの旅エッセイ

「家のバルコニーから毎日海を見るのを楽しみにしているのです。窓から見た明石海峡を描いてほしい。」
そんなハードルの高いひと言をいただいたのは、今年5月の神戸個展会場トアギャラリーでした。
承知しました、と、個展の会期中にお客様のご自宅へ訪問。窓から見た風景に驚きました。180度、見事な瀬戸内海。

ようやく水彩画が完成し、お客様の元へ発送しました。
宅急便到着予定日、「色合いが絶妙!とても満足しています」とのメッセージとともに、架けられた絵の写真が送られてきました。

住まいは思い出の器です。取り壊される前の歴史建造物。人出に渡す前のすみなれた家など、住まいに関するさまざまなオーダーもいただきますが、「窓辺の風景」もそのひとつです。

普段見慣れた窓辺の風景も、唯一無二。美しいものだからこそ、必死に鬼の形相で描きます。ありがとうございました!

オーダーご希望の方は、さらりお気軽にこちら(オーダーページ)からどうぞ^_^

 

 

トップ写真は、絵の嫁入り先の風景です。

札幌のMさんが、先日仙台を訪れた際に「ちび絵」をお求めくださり、「小さな小さなちび絵展です。早速架けました」というメッセージとともに、嬉しい写真を送ってくれました。(「ちび絵」とは、「手のひらサイズの額に入った小さな水彩画」のアトリエアルティオオリジナルネーミングです。)

嫁いだ水彩ちび絵は「ポルトガルの扉」です。
ポルトガルの扉は、本当に表情が豊かです。いままで何枚も制作していますが、ことごとく嫁いで行っています。扉にみなさんそれぞれのストーリーを見いだしてくれるから、なのかもしれません。

そしてMさんは、「イタリア製の素敵な額をみつけたので、ちび絵にしました」とアルティオのショップリーフの表紙もあつらえてくださいました。
二つ並んだ嫁ぎ先の風景は何より嬉しいものです。
Mさん、ありがとうございました!

+++
すすめていた、くすのきしげのり先生との絵本のイラスト全ページが手を離れました。アイデアスケッチ、ラフ、そしてフィニッシュへたたみかけた半年でした。

今回のイラストは、今までの表現とはひと味違うものになっています。
誰も見たことが無いけれど実在していたかもしれないような、そんな世界の住人達が物語をすすめます。
世界に生み落とされた絵本は、出版後にどんどん世界が広がって行く不思議ワールドです。今からどんな広がり方をしてくれるのか、楽しみです。

絵本は秋に刊行予定です。いましばらくお待ちください。出版社の星の環会さんから詳しい情報が入りましたらまたお知らせします。

 

 

筆は、描く仕事の必需品です。筆一本で制作のはかどり方が違います。そんなわけで、私が使っている筆を紹介します。あ、そんなに高価な筆は使っていませんよ。
普段使っているのは、写真の筆です。カランダッシュの混毛赤軸や、青葉画荘オリジナルのコリンスキーなどです。(青葉画荘のこの筆は、素材の割に低価格で良心的な筆でしたが、コリンスキー高騰につき、残念ながら絶版になってしまいました。)



そんななかでお気に入りの筆に、友人イラストレーターS氏からいただいた筆があります。スペイン・ピカソ美術館のお土産です。(トップ画像)
ミュージアムグッズですからセーブルやコリンスキーではなく、多分ナイロンだと思います。
ところがです、これが途方もなく(!)使いやすいのです。
今まで使ってきた筆の中で、三指に入ります。

いただいて2年、ナイロンとは思えない水の含みと穂先のそろい方で、まだまだいける。
ミュージアムグッズでこの品質。ヨーロピアンブラシ、おそるべしです。
ダメになったら…変わりがありません…。スペインまで行くしかないか。。。誰かピカソ美術館に行く方いれば、まとめ買いお願いしよう(笑

 

 

 

奥会津に近年台湾からの観光客が集まっていると聞きます。また、青森にもたくさんの外国人観光客が来ているとも。
東北を俯瞰しているわたしの目線と、外国人観光客の興味が一致するのは偶然なのか、必然なのか。

生まれ育ったみちのくを旅しはじめたのは20年前のことです。20代〜30代のヨーロッパ放浪ののち、とあるきっかけでそれまで見向きもしなかった東北をまわりはじめました。

ポイントは異国目線。

異国を旅する感覚でみちのくを歩くと新鮮な風景に出合えました。おのずとそれらの旅は感動を見いだすクセを培ってくれました。
普段見慣れている世界に感動する、という気持ちには、「心の角度の切り替え」が必要なのです。(それを異文化、異空間の海外旅行では意識せずに切り替わっている)

奥会津の集落と自然、津軽下北独特のラテン(!)な空気感、岩手の絶品開拓酪農地、秋田、山形の日本海に面したシブ系漁村は、観光資源の原石。

ここ数年、こと東日本大震災後、東北にインバウンド=海外からの旅行者を呼び込もう、という流れが大きなうねりになってきています。その目線に絵描き取材で培った体験を役立てることはできないものか、、、と、つらつら考えています。スケッチツアーを組もうということではありません。感動の角度をフィードバックできないか、ということです。

絵は山形の日本海風景。鶴岡から鼠ケ関に南下する途中の漁村印象です。
幹線国道を走っていては、こんな風景にはまず辿り着けません。
脇道のそれて,立ち止まって耳を澄ます。
すると、今まで見たつもりになっていた風景は、その音まで聞いていなかったということに、はた、と気づきます。

目をつぶることで心に刻まれる、いわゆる心象風景。観光誘致のヒントはそんなところに眠っているように思えるのです。

山形由良から鼠ケ関までのルート沿いの小さな港めぐり。大きな夕陽を眺めながら岸壁に寄せる波音に耳を立てる。大好きな時間です。

遥かトスカーナ

トップ絵は、ひさしぶりの新作水彩画アップ。シエナの町です。仙台藤崎百貨店での個展:9/26(木曜)〜10/2(水曜)〜が一ヶ月後に迫ってきました。
同時に絵本の仕事が動いています。鉛筆を持つ手もそんなわけで毎日動いています。

この週末、仙台で絵本のフォーラムが開催され、全国から絵本セラピストさんや図書館関係者が杜の都へ集まり、大きな盛り上がりを見せました。(といっても私は関係者ではなかったのであとから知ることになりました。)

絵本セラピストさんと、ここのところ繋がりが深まっています。5月開催した神戸トアギャラリーでの個展では、大阪の絵本セラピストさんと友だちになったり、その後、北海道のセラピストさんがアルティオまで遊びに立ち寄ってくれたり。今回も北海道、新潟からのフォーラム関係者の方々が立ち寄ってくれました。ありがとうございました。

水彩画を描くことが絵本というフィールドに少しずつ広がっていき、いままでは知り合う術も無かった、そんな絵本を広める皆さんと繋がりが生まれ、本当にありがたいことです。
新作「海の見える丘」(くすのきしげのり・作/古山拓・絵/星の環会)は今秋出版予定です。みなさんにぜひ手に取ってほしいです。(画像は告知用の絵)



週末、アトリエアルティオの外にあるプロパン収納庫にお手軽ウォールアートを描きました。殺風景だった収納庫に描いたのは花。筆代わりに使った画材は、食器を洗うスポンジです。
水彩でも絵本の世界でもなく、気分は壁塗りトムソーヤー。(物語の「ペンキ塗り」の下りが好きなのです)
ギャラリーは仙台市内の目抜き通りのひとつ、定禅寺通りから徒歩数分ですので、何かのついで見にお立ち寄りください。

 

  

 

 

イラストレーター、画家といえども経営者です。一般のお店は商材を仕入れ、必要なお客様に買ってもらい経営が成り立ちます。絵描きの場合は、絵の具や紙を仕入れ、取材をし(あるいは、打ち合わせ、創造をし)、描いて納める。

お店をしているといろんなことがあります。いいことも落ち込むことも。日々その繰り返しですが、ブログには落ち込んだことは書きませんので(笑)たぶんいいことづくめのように思えるかもしれません。

今日、ひとりの水彩個人授業の受講生さんが、漏水被害でアルティオ休業以来、ほぼ三ヶ月ぶりにやってきました。先の大戦を知っている世代です。
その方は長いことお付き合いくださっていますので、わたしどもの悲喜こもごもをよく知っています。今日も漏水で休業の話になりましたが、こんなことを言ってくれました。

「先生にはほんとにいろんなことが降り掛かってきますね。大変…と思われているかもしれませんが、でも、それは誇るべきことですよ。」

人生の大先輩のその言葉にぐぐっと操縦桿を引いた気持ちになりました。

操縦桿と言えば、飛行機です。
以前サンテグジュペリの搭乗していた複葉機を水彩画で描きました。ポテーズ25です。何枚もの資料写真を集め、デッサンし直し描いた一枚ですので、絵のアングルの写真は存在しません。

うれしいことに、縁あって嫁入りして行きました。その嫁入り先のご主人がアルティオに見え、「今、このように飾っています」と、写真を見せてくれました。
なんと絵のそばには、昔読んだという「星の王子様」の本が!!
気持ちが空高く舞い上がったのはいうまでもありません。

一見低空飛行でも、視線は見上げたい。視線の先は高い空ばかりですから。


 

 

共時性、というんでしょうか、立て続けに同じ話題が異なる方向からやって来ることが多々あります。
昨日のこと、それは宮沢賢治でした。

こう書くと「おっ!きたな!アヤシイぞ、こいつ!」と思う方も居るかもしれませんが、別にスピリチュアルな画風を売りにしているイラストレーターではありませんし、ましてやなにかこう、カリスマをプンプンにおわせる画家でもありません。
それでもそういう体験が結構多い。いわんや目に見えない思考の磁場みたいなものってあるんじゃないかな、と思いたくなります。

昨日は宮沢賢治がらみのイラスト仕事をしていたのですが、ただ描くだけではなく今後の宮沢賢治作品の展開を考えていました。すると夜、一本のメールが。それは小学校の同級生からの「今、銀河鉄道の夜を読んでいるけど、すごい物語だね」という内容でした。心の中では、「おいおい、、今日は一体どういう日なんだ、、、。『賢治の絵をもっと描け』と言われているような、、、。」

そんなわけで、賢治絡みの絵をアップします。
水彩画は、故郷岩手の北部、岩手町郊外で出合った風景です。雪原に立つ一本の木を見た瞬間、思わず「又三郎だ」とつぶやいていました。タイトルは「風の少年」。1号程度の小品です(お客様の御宅の壁に嫁入りしています-個人蔵)

風の向くまま、なんていいますが、日々繰り返される共時性から「あらたな道筋」を考えるならば、意外にも風に乗ることができるかもしれません。get on the wind(…..とおもって生きています^_^まだ乗れてないけど)

まだ暑い日が続いています。
一筆雪景献上かしこ。