x4160677 - Part 63
- TOP
- x4160677 - Part 63
旅路・フランスペルージュ風景
今日6月1日は、イラストと水彩制作の事務所「古山拓絵画工房ランズエンド」の独立記念日です。
25年の長きに渡って、「描くフリーランス」で食べさせてもらってきました。皆様、ありがとうございます。心より感謝申し上げます。
ところで、フリーランスの語源はヨーロッパの中世の「槍騎兵」にあるということ、ご存知でしたでしょうか。
中世において王や諸侯たちは戦争があると傭兵団を雇いました。そんななか、傭兵団には属さずに単身戦場に臨む槍を持った槍騎兵がいました。当時槍騎兵をlancerと呼んでいました。フリーのランサー。それがフリーランスの語源です。
当時は兵士を指していた「free lancer」が、時代を経て「組織に属さず働く」という意味にかわってきたようです。フリーランスのフリー(英: free)は、“拘束されない”という意味。タダで描くという意味ではありません。(一部Wikipediaによる)
フリーランスが報酬を得るのは、昔から自分が持つ腕だけが頼りだったんですね。ちょっとの油断と腕を磨くのをおこたると、戦場では死が待っていました。今のフリーランスは殺されることは無いにせよ、お客様との縁やスキルをないがしろにすると仕事が無くなります。そういう意味では死と同じかもしれません。
私自身のフリーランス二十五年をふりかえってみると、どん底もあれば、ほどほどのときもあり,討ち死に一歩手前もありました。まさに大波小波。とにもかくにも今まで生き残ってこれたことが最高の叙勲、と、思いたいです。
そんな節目、広告代理店からある広告イラストレーション仕事を発注いただきました。広告代理店でのミーティングルームには、関係者全員が集まっていました。フリーランスのイラストレーターは、いわゆる末端業務。そうないことです。ゆえに気持ちが引き締まりました。まだ明かせませんが、槍ならぬ筆をおもいっきりふるい、今までの経験を最大限に活かしたいとおもいます。今宵は自宅で小さく前勝利を祈って乾杯します。
1994年から25年、今までお仕事をくださった大勢の方々に感謝しています。そして、これからもよろしくお願いいたします。
今日の一枚は、本日独立記念日に(!)有り難くもN様のご自宅へ嫁入りしていった、フランス中部のペルージュの路地を描いた6号水彩作品、「旅路」でした。
25年というトンネルの向こうに何が見えてくるのか?光にあふれた先を信じて頑張っていきたいと思います。
北の文学イラスト・クライアント/岩手日報社
盛岡バスセンターの記憶/水彩
ふるさと盛岡の中心に、かつて「盛岡バスセンター」がありました。この呼称自体、かなりの時代を感じさせますね。今ならさしずめセントラルバスターミナルとか、バスステーションとか、まあそんなかんじでしょう。ドック式のバス乗り場が連なっていて、どこか郷愁を感じさせる、好きな場所でした。
数年前に「取り壊される」と聞いて、取材に行きました。建物の中は立ち食い蕎麦やがあったり、両親の代から使われていたに違いない椅子が誇らしげなカフェがあったり、まさに昭和でした。
岩手日報社から年二回出版される「北の文学」。その表紙絵を担当していますが、今回はあえて今は無き記憶の風景を描きました。バスセンターです。
イラストを仕上げて送ると、新聞社の担当さんから「よくぞ描いてくれました」との返信が。岩手在住者にとっても、バスセンターはやはり特別な存在だったんですね。
記憶の風景を描くときに,写真の色は意識的に無視します。塗込めるのは心の色。絵だからできることが、そこにあると思っています。
本の表紙イラストはモノクロですが、原画のカラー版も掲載しておきます。私の記憶の盛岡バスセンターです。
盛岡と言えば、来年2020年の川徳デパートでの個展が決まりました。4月下旬、石割桜が咲く時節になりそうです。
■ 2019/5/27 投稿 ■
河北TBCカルチャーエスパル教室で、新講座を担当することになりました。絵本を手作りする講座です。
「手づくり絵本を贈りましょう~あなただけの物語を一冊に~」(6カ月講座)
大切な方へ世界に一冊だけの「手作り絵本」を贈る….。その瞬間、どんなサプライズが待っているでしょう???古山拓がいままで絵本に携わることで培ってきた絵本をつくるノウハウを、オリジナルカリキュラムに。6ヶ月12回で「あなただけの一冊」を楽しく仕上げる新講座です。(楽しく絵本を作り上げる講座ですので、絵画指導ではなく絵本作りへのアドバイスとなります。)
以下、カルチャーセンターの講座案内です。6カ月講座となります。
「世界に一冊の絵本を作りませんか? 家族や大切な方との思い出、旅の出来事など、あなたが描く物語とさし絵を素敵な贈り物にしましょう。絵本作家の古山拓が独自のカリキュラムで優しくお手伝いします。「白い絵本」の市販キット、手持ちの画材と手書き文字で仕上げます。」
日程: 7/3・17、8/7・21、9/4・18
6カ月講座
第1水曜日 第3水曜日 18:30~20:30
受講料・維持運営費
3ヵ月6回10,044円(入会金別)(6ヶ月講座ですが、受講料のお支払は3ヶ月分毎です)
受講者持参品
水彩、クレヨン、色鉛筆などお好きな画材
教材費
制作キット代、資料代など別途
お申し込みをお待ちしています!
オーダーいただいている「ひまわり」の水彩画を描いています。
今日の仙台は真夏です。
でも、ひまわり制作デイにはもってこい。
筆洗のパシャパシャという筆を洗う音が小川の傍に立っているような、涼しさをくれます。
この筆洗いの音、そういえば昔々、アニメーター時代にも、彩色ルームに行くと彩色さんが詰めている部屋に時折パシャパシャが聴こえて、締め切りに追われる殺伐とした気持ちを和ませてくれたっけ。
静けさに響く水音っていいね。
やっぱり人は,進化の途中の水の中に暮らしていた記憶を持っているのかな。
絵は、この季節定番の「奥入瀬風景」です。
ブルターニュの港 フランス・ヴァンヌ
Home イギリス・ウィットビー
仙台は風の町です。気候もよく住み易い町ですが、風が強いのが玉に傷でしょうか。アルティオ店舗がある立町はそんな仙台を代表する川、広瀬川のすぐそばにあるということもあり、風の強さをより感じます。
風に向かうのはしんどいですが、「鳥が飛ぶときは向かい風に向かって飛び立つんだ」と、友人のU社長が今日のSNSでつぶやいていました。至極納得。
新しい試みは、見えないこと、読めない事態と不安要素が大きいですけど、それでもチャレンジしなければ同じところでぐるぐるまわっておしまいです。
作家の私と店長の妻は若い頃に風まかせの旅をしてきましたが、その旅が「風に向かえ」と教えてくれたように思えます。だって、長旅をしていると移動しないのが一番ラクなんだもの。ラクだけど降り掛かって来る旅の神様からのプレゼントはどんどん少なくなってくる。これは不思議。
仙台での日常に戻りましたが、しばしホームでの給油ののち、あらたな風に向かうとしましょう。今、新しいことを始める準備が進んでいます。新しい風、かもしれません。一人だけでやっていることではないので、発表できるのはもうすこし先です。フリーランス画家は単独飛行に見えるかもしれませんが、そんなことはありません。個展にいらしてくださったお客様をはじめ、すれ違う人でさえ飛び立つことを支えてくれる大きな浮力であり支え、そして推進力に違いないんです。
絵は「Home」。来月開催の銀座個展案内DMに使ったイギリス・ウィットビーの港町。漁から港へ戻ってきた漁船を描いた一枚です。Homeがあるから明日もチャレンジできます。神戸から東京銀座へ。ホームとしての仙台,そして東北に感謝しています。
ギャラリーページにこの絵とフランスの港の絵をアップしました。どうぞ、ごらんください。
6/10〜17東京銀座ギャルリサロンドエスで個展を開催します。
古山拓水彩画展「角をまがれば」
「角の向こう側にきっと心に響く風景がある…」 いつもそんな気持ちで旅をすすめます。
イギリス、フランスの水彩風景を中心に展示いたします。
前回の個展では直前の急病でご来場のみなさまにご迷惑をおかけしました。
こころよりお詫びするとともに、あらためて再びお会いできることを楽しみにしています。
2019年6月10日(月)〜17日(月)
AM11:00~PM6:30(日曜・最終日PM5:00まで)
住所:東京都中央区銀座6-3-2ギャラリーセンタービル2F(泰明小学校向かい。フレンチカフェレストラン・オーバカナルの二階になります)