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薮川外山

薮川外山
先日、NHKで、南米に移住した一家の五十年の記録が放送されていました。
彼らが旅立ったのは、岩手の高原地帯にある薮川外山という開拓村。映像から流れる方言ですぐに岩手の人たちだ、とわかりました。
 
じぶんはその地で幼少期を過ごしていた時期があります。一番古い記憶が薮川外山の記憶です。(父は当時、木炭集積場に勤めていました)
 
画面に流れた50年前の風景の中に、「自分の水彩画に何度もあらわれる要素」が。
(じぶんは風景画を描いていますが、ないはずの杭を描いたり、ラインを変えたり、結構フィクションが入っているのです)
 
仙台に住んでいようと、ヨーロッパを旅しようと、深い記憶は無意識のうちに自分の美意識として外に出ようとするものなんだ、と、どきっとしました。
 
薮川は本州で最低気温を記録する、厳しい土地です。なんだけれど、かすかな記憶にはそんな辛さはみじんもありません。
両親はどんな思いであの開拓村にくらしていたのだろう???
その地にわたしはルーツを刻むことができて、それは唯一無二の宝物となっています。
絵はそんな薮川の記憶を描いた連作の一枚です。
「幼き日々」