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アテルイの丘

アテルイの丘

明日から一泊二日で岩手へ水彩画の取材です。北上のお客様からの依頼で現地入り。もとはといえば、十年以上前のはじめての盛岡個展で出品した絵に、お客様の家を偶然描いていたのが縁です。その後、お客様の運営する施設を描かせていただいたり、ロゴマークを制作させていただいたりと、ご縁をいただいています。

北上付近は自然が豊かですばらしい田園地帯が広がります。その昔、大和朝廷と蝦夷連合軍が戦ったところがそのあたり。蝦夷連合を率いていたのが英雄アテルイです。残念ながら「アルテイオ」じゃありません(失礼)。対する大和の将軍はご存知坂上田村麻呂でした。
一関から北上辺りまでの雄大な山河をみるたびに、気持ちは遥か昔のアテルイたちに飛んでいきます。

「人は何のために戦うか?」家族や国、はてはマネーと返す人もいるでしょうね。答えは人それぞれでしょう。そのアンサーのひとつに、「故郷の山河」もあるよなあ、、、と、わたしはいつも岩手に帰るたび思います。

北上近郊に酪農が営まれている丘陵地帯が広がっています。私が絵で何度も描いているお気に入りの場所。その丘に立つたびに、なぜかアテルイと蝦夷連合を思い出すのです。なんとも不思議です。
来年4月には盛岡川徳デパートでの個展が決まっています。その個展取材もかねての岩手一泊。アテルイ率いた蝦夷連合軍戦士の御霊たちに一礼、絵筆をとってきたいと思います。

絵は、その北上近郊の丘を描いた透明水彩画です。ずいぶん前の作品だけど、好きな絵。丘に座って描いていると一匹の狐がブッシュから現れ私を見つめ、すっ、と丘の向こうへ頭を向けました。