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新聞連載小説のサムライイラストを描き続けて450回を越えました。(岩手日報・「柳は萌ゆる」平谷美樹・作)
百数十年前の江戸から明治に変わろうとする時代が物語の背景。サムライのイラスト、というと遥か昔のような気がしますが、1868年という時代は、以外にも最近のことなのです。私が生まれたのは1962年ですから、生まれたときからたかだか96年前のこと。

私が学生時代に専攻していたのは古代地中海世界、いわゆる、古代ギリシャローマでした。その時代を学んでいると、100年という一世紀単位が非常に短く感じられるのです。光陰矢の如し。

今は幕末、戦地で戦うサムライをえがいているけれど、そのサムライたち、あるいは農兵たちは260年続いた江戸の平安の中で生きていました。刀で人を斬ったことなどなかったところへいきなりの出兵、と考えると、彼らはどのような心持ちだったんだろう、とついつい考えてしまいます。

私たちの命はそんな生き死にの上に積み重なっているんだな、間違いなく。心してクライマックスへ筆を進めたいと思います。