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優しい椅子

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「この石鹸はスコットランドメイドでございまして…」と、ギャラリーアルティオ取扱いの欧州石鹸のウンチクを傾けたいところですが、今回は石鹸のお話じゃなくて、背景のテキスタイルのお話です。

バックの文様、なかなかステキだとは思いませんか?

実はアルティオに縁あってやってきた古い椅子の座面の布地なのです。

この椅子が作られたのは太平洋戦争前のこと。神戸の洋式家具職人さんの作品なのです。
おしゃれな雰囲気が漂っているのは、産み出されたところが神戸という事実とも関係していると思います。
その方の血筋の女性から「もう使うこともないから、もし使ってくださるなら…」と譲り受けたもの。

職人さんはこの椅子を作った後、徴兵で硫黄島へ…。帰らぬ人となりました。

丁寧に織り込まれた文様の座面に座るたびに、硫黄島に散った家具職人さんの、「使ってくれてありがとう^ – ^」という嬉しそうな気持ちを感じるのです。
心がこもっているからでしょうか、とてもくつろげる椅子です。

大きなノッポの古時計♩という歌がありましたが、椅子にも間違いなく人格があります。

80年くらい前のデザインですが、現役です。アルティオにいらした時、ぜひ座って心の中で椅子と話をしてみてくださいね。

神戸から時代を越えて仙台の小さなアートショップにやってきた一脚の椅子。
気持ちが優しくなること間違いなしの、不思議な椅子なのです。