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#北の文学

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私の生まれた町はリアスの海辺、岩手県山田町です。
生まれて一年ほどしか居なかったとのことで、記憶はありません。小学校の夏休みに家族で海水浴に行った記憶が、一番古い山田の記憶です。

その記憶とは、小舟に乗って大島という離れ島にわたる船縁から見えた、エメラルドグリーンの海の底。きらきら美しいけど引き込まれそうで怖かった記憶があります。

今日、某局のドキュメント番組の取材を受けました。内容はオンエアが未だなのでふせますが、そのなかでリアスの海辺の話になり、山田のことをちょっとだけ話したのです。その時脳裏に一瞬フラッシュバックしたのが、船縁からのぞき込んだきらめきでした。

取材の直前、岩手日報社「北の文学」の刷り上がりが郵便でとどいていました。実はこの本の表紙のイラストを担当しています。画題は岩手の風景なら自由。今回は宮古の魹ヶ崎の灯台をモチーフに選んでいました。本州最東端のすっきりした容姿の灯台です。
宮古は山田の北にある町です。取材時に山田の記憶がはいりこんできたのは、そんな本の表紙を見ていたからなのかもしれません。記憶の連鎖は不思議です。

表紙はモノクロですが、実際の水彩イラストはカラーで描いています。今日は、そのカラーイラストをアップしておきます。山田の記憶もセピアではなくフルカラーでしたので。

山田は津波でやられてしまったけど、今はどうなっているんだろう。来年あたり山田を再訪してみたいな。