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連休明けの5/11(土)〜16(木)神戸で個展をひらきます。神戸では初めての個展です。以前から神戸で開催することがかなえたいことのひとつでした。トアロードに面したトアギャラリーでの開催です。
会期中は全日程会場にて皆様のご来場をお待ちしています。(神戸個展の搬入(5/9)〜会期中はアトリエアルティオ店舗は臨時休業となります)
タイトル/古山拓水彩画展Beyond the Sea〜旅の彩り〜
会期/2019年5月11日(土)〜16日(木)午前11時〜19時(最終日は午後4時半閉場)
会場/TORGALLERY1(トアギャラリーワン)
〒650-0012神戸市中央区北長狭通 3 – 12 – 13 TEL.078-334-0531
藤村みゆき×古山拓のサンジョルディ企画 ブンガクカートゥーン展
文学・文豪をテーマに人形作家と絵描きが手を組みます。 人形から帯留め、水彩から陶芸まで創造イマジネーション縦横無尽。 登場予定の文豪。夏目漱石・芥川龍之介・プルースト・ヘミングウェイ・あの人もこの人も。 4/21午後2時からはギャラリートークもあります。立ち寄ったら帰り道は本屋さんへ行きたくなること必至のコラボ展です。
明日に搬入をひかえて、さすがに部屋から一歩も出られません。腰にきますね。いたた。
仙台に巻き起こっている暴風警報はCARTOON警報でもある、、、と思いたいです。
今日の予告編は、開高健のベトナム戦記。こんな感じです。
ラフと色付きプリントを一枚のパネルに入れて展示します。小さいけれど。ラフの鉛筆線の疾走感を楽しんでもらいたいと思っています。
文学からどんな表現ができるのか?テスト版もありますけれど、「こうでなくてはならない」というストッパーを解放することで、発想や表現のヒントをもらえるのがCARTOONのいいところですね。もちろん、定番の水彩表現も展示します。陶芸作品から透明水彩、そして劇画調まで。お客様に「へえ〜、文学をネタに、こんな風に楽しんでもいいんだ」と思ってもらいたいです。
藤村みゆき×古山拓 BUNGAKU CARTOONは17日水曜日スタートです。
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今日の正岡子規「はて知らずの記」をたどる連載は、松島です。舞台となる雄島は、松島の外れにありますが、訪問の価値ありです。
松島・雄島
「細経ぐるりとまはれば石碑ひしひしと並んで木立の如し。」(はて知らずの記より抜粋)
松島水族館の裏手にあるヨットハーバーを横目に、岩塊をくりぬいたほの暗いアプローチを進む。と、そこに小さな島が浮かんでいる。その昔、修行僧が石庵を結び、死者の魂を鎮め祈ったという、雄島だ。先の大津波で橋が流され、残念ながら原稿を書いている今は渡ることが叶わない。(註;現在は既に修復し渡ることができます)
塔婆のごとく石碑が林立する島は、まさに祈りの場所だ。子規も訪れているが、記述はわずか二行と「すゞしさを裸にしたり座禅堂」の一句で終わっている。
私が雄島を訪れる度に思い出す島がある。それは、西の彼方アイルランドのはずれ、大西洋に浮かぶアラン島だ。
アラン島を旅したのは十年以上まえのことだ。岩盤からなるその島には土が、ない。それでも島民は岩を砕いて海藻を敷き、じゃがいもを育て、荒海へと漁に出る。何もないといえばそれまでの島だ。けれどそこは、無力な人間の「それでも生きる」という、魂の声に満ちていた。
雄島もしかり。主がいなくなった石窟に吹きつける風が魂の声となって胸に響く。雄島は私にとってのもう一つのアラン島なのかもしれない。
(絵と文・古山拓)
サンテグジュペリの飛行機を水彩で描く:ブレゲー 14
■ 2019.4.10 NEWS ■
小説の中から、主人公が!花や動物たちが!文豪も!飛び出してきた!!ちょっと変わった文学×コミカルアート展♩
人形、イラスト、ブローチや雑貨など、新たな二人の試みをどうぞご覧ください。
帰りはきっと本屋さんに寄りたくなるような企画展です。
●4/17(水)~4/23(火:サンジョルディの日)会期中無休
11:00~18:00/最終日16時終了: (24日(水)は臨時休業いたします)
●会場/アトリエアルティオ
オーダー水彩画とカレンダーの絵柄のご紹介
公園の中を流れる時間はおだやかです。仙台のまちなか、アルティオの向かいに大きな西公園があります。仙台市内にある公園のなかでも、もっとも大きな公園のひとつです。
勾当台公園、肴町公園、錦町公園、榴岡公園、、といくつもあるのですが、市中心部から徒歩10分ほどの距離でもっとも空が広い公園は西公園でしょう。おまけに眼下には滔々と広瀬川が流れます。この環境に敵う公園は、仙台中心部ではほかにないと勝手に思っています。(あくまで中心部の話です)
個人的なことですが、イギリスの公園やベンチが好きです。いや、公園やベンチ自体が好きというよりも、その場に集う人々の「なにもしない」あるいは、「時間をゆったり楽しむ」という姿勢が好きなのかもしれません。
一点写真をアップします。この写真は私が大好きな、イギリスバースの高台にある椅子。
大好きな椅子という言い方もヘンですが、そう、好きなのです、この椅子。
一度目座ったときは、私はこの椅子で夕暮れをぼーっと見ていました。二度目のこの時は残念、女性の先客が。やはりずっと同じ姿勢で彼方を眺めていました。今、写真を見ても、彼女の廻りに流れていたゆるやかな時間を思い出すことができます。(今,アトリエで描いている絵は、そのバースの高台で見えた時間です)
西公園もそんな人々が少しずつ集まると、仙台にはもっといい時間が流れるような気がします。小さなアトリエアルティオもそんな「ゆるやか時間」の仲間に入れてもらえるといいなと思います。
西公園で春恒例の「植木市」がはじまりました。おだやかな時間が流れていました。
あ、「バースの高台から見えた時間」の絵ですが、完成品は神戸個展にお持ちします。
(今日の子規連載はお休みします)
平原に立つ イングランドにて
4月17日からはじまる、人形作家の藤村みゆきさんとのコラボ展「BUNGAKU CARTOON」展が迫っていました。 会場はアルティオです。 藤村さんとは二度目のコラボ展ですが、今回は文豪や文学作品を題材にしまして、表現手法を陶芸までひろげ、表現ストッパーをはずした展示となります。
CARTOONは訳すなら漫画です。トムとジェリーのアニメを見たことが無い方はいないと思います。タイトルでライオンが吠えることで有名なMGMのアニメです。トムジェリの場合、そのタイトルではちなみにトムが吠え(哭き)MGMCartoonと入ります。そして実社会ではあり得ない漫画表現がくりひろげられます。ではトムジェリ的に文豪文学をテーマにCARTOONワールドをやったらどうなるか?
今日は藤村みゆきさんが作品の一部をアルティオにおもちくださいました。ひとこと、換骨奪胎みごとに「素敵!」です。
会期は4月17日から23日まで。会期中アルティオは無休です。 21日日曜日にはギャラリートークもありますので、お楽しみに!
さて、子規のはて知らずの記を辿るは10回目です。
『子規と歩いた宮城』第9回 松島・瑞巌寺
政宗の眼もあらん土用干 子規
伊達政宗の菩提寺でもある瑞巌寺は、先の津波被害を辛くも逃れた。
塩釜港岸壁に山積みされた瓦礫(がれき)を横目に松島に渡ると、何か大きな力が松島を守ったのではないかとさえ思えてくる。
「古雅幽静はなはだ愛すべきの招提(しょうだい=寺院)なり」とは子規の瑞巌寺へ向けた言葉だ。反面、俳句が彫られた石碑群には「殆ど見るべきなし」と手厳しい評を残している。
彼が唯一認めているのが「春の夜の爪あがりなり瑞巌寺」なる句だ。私はこの句碑を探してさまよったが、ついぞ見つけることができなかった。
諦めて拝観券を買い、庫裏へ上がった。そこには伊達家の威光が差していた。
子規が政宗公の眼(まなこ)を言葉に選び「土用干し」と言い及んだ宝物群。しかし、今の瑞巌寺は大改修に入っており、全容を見ることがかなわなかった。 私は改修後の「土用干し拝観」を自分に約束し、庫裏を後にした。
(絵と文・古山拓:文中「さきの津波被害」とは東日本大震災の津波を差します。瑞巌寺は現在修復を終え一般公開されています)
記憶の遺産-東北大学農学部雨宮キャンパス守衛門
28㎝×20㎝
60,000円(税別)