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ポツンと一軒家

ポツンと一軒家

毎日外出ができない日々が続いています。

臨時休業中のアルティオ店舗には一日置きに行っています。

店舗=テナントは、科学的にはコンクリートの箱でしかありません。ですが、なんというか、ドアを開けると、部屋が「笑ってくれる」のがわかります。コロナ対応で臨時休業して以来顕著です。「閉めててごめん」とつい声をかけてしまします。空間にも命がある。

早くOPENの看板を出したいです。いつもいらしてくださる皆様、申し訳ありません。そのときはまた笑顔でお迎えします。

今日は一枚の春の絵をアップします。

山間部をくねる道が好きで、愛用のルートマップには無数のマーキングや書き込みがあります。

今テレビで人気を博している「ポツンと一軒家」ではありませんが、突然現れる集落に、そこに暮らす人のドラマを感じて立ち止まってしまいます。

その昔、東京小平にあったギャラリーで個展をさせてもらったことがありました。

ヨーロッパを描いた絵をポートフォリオに入れて持っていったのですが、オーナーさんからひとつ条件を出されました。

「ヨーロッパを描いている画家は、東京には山のようにいるからね。生まれ育った東北を描き続けるなら、壁、貸してもいいよ」

はっとしました。1997年のことです。東北なんて暮らし続け当たり前すぎて、気にもかけていなかったのです。(個展プロフィールはこちら。1998年の松明堂展です)

オーナーさんのひとことから、以来、東北の山間部や海辺へ迷い込むことになりました。農家でとうもろこしをもらったり、炭焼きの親父さんが炭だらけの顔で笑顔をくれたり。漁師さんがウニを食え、と差し出してくれたり。

車で奥へと入って行く時は怖くさえなる時もありますが、結果、良い思い出しかありません。

いまだに取材を続けて、さっぱり上達しない下手な絵を描き続けていますが、下手なりに自分が見てきたことが誰かの記憶とゆるく繋がって、何かを生み出す肥料になると良いなあ…と思います。

「ポツンと一軒家」を見ていると、つい「ウンウン、細道崖道、ドキドキするんだよね」なんて、一緒に旅してきた妻と笑いながら話しています。

今日の水彩画のタイトルは「春風、遠くにさえずり」

北上山地山中の風景です。