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「世紀末の香り」

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「世紀末の香り」

人から訊かれることで見えてくるものがあります。FM仙台のin my lifeという番組にゲストとして招かれ、画家としてイラストレーターとしての半生を訊ねられ、あらためて気がつきました。自分が生かされているのは「血」の連鎖ゆえなのかもしれない。(血はDNA的な意で、紛争的血にあらずです)

番組では自分の人生の中での「一曲」を求められました。なんと難しい問いでしょうか。ジャズ、R&B、ロック、アイリッシュ、映画音楽と5曲くらいまでしぼったそのあとは、楽しくも辛い選択でした。

結果、私の一曲としてあげたのは、映画「愛と哀しみのボレロ」より、ミッシェルルグラン作曲の「世紀末の香り」

19歳で初めて聞いて、サウンドトラック版を買い、日々聞き続けて今に至ります。フリーランスの仕事場で、この曲ほど聞いた旋律はありません。

映画の舞台は第二次世界大戦のヨーロッパ。いくつかの家族の話ですが。べつべつに見えていた話が親から子へと移りながらも最後はパリでひとつに結びつきます。

映画の冒頭、次の言葉がスクリーンにインサートされます。

「人生には2つか3つの物語しかない
しかしそれは何度も繰り返される
その度ごとに初めてのような残酷さで」

「人生」という翻訳を、「一人の人生」ではなく、親から子へ継がれていく「生の連なり」と解釈すると、自分の心にはすっきりと落ち着くのです。

正も負もごちゃまぜになりながら次の代へと仕事として受け継がれて行く。継いだものは他人から見れば石ころかもしれないけれど、血の連鎖の中で「大切な磨くべきもの」ならば、受け取った石ころを磨きたいと思います。だって、それは、世界中の命の中で「たった一人、自分だけ」に渡されたものですから。